北海道最大の都市・札幌は、観光客・通勤者・学生・ビジネス層など多様な人々が行き交う都市です。国内外からの観光需要が高いだけでなく、北海道内の物流・商業・交通の中心でもあるため、近年デジタルサイネージの導入が急速に進んでいます。
本稿では、札幌で利用されているデジタルサイネージの種類を総合的かつ詳しく説明していきます。屋内・屋外、交通機関、商業施設、イベント、公共施設など、目的ごとに分類し、さらにその特徴やメリット・デメリット、札幌という土地ならではの利用例まで踏み込んで解説します。

1. 札幌のデジタルサイネージ市場の特徴
■1-1. 観光都市としての特性
札幌は年間を通じて国内外から多くの観光客が訪れます。
代表的な例としては、
- さっぽろ雪まつり
- 札幌ドームでのスポーツイベント
- 大通公園でのビアガーデン
- 夏・冬の観光シーズン
こうした季節性イベントが多いため、短期間で内容を更新しやすいデジタルサイネージは非常に相性がよいです。
■1-2. 豪雪地帯ならではの技術的ニーズ
札幌は冬季には積雪が非常に多く、氷点下20度近くまで下がることもあります。
そのため、
- 耐寒仕様の屋外ディスプレイ
- 防水構造
- 雪付着を防ぐヒーター付き筐体
など、特別な屋外サイネージ設計が求められています。
■1-3. ICTの先進都市
札幌は市としてスマートシティ化にも取り組んでおり、データ活用やICT導入が進んでいます。
その結果、サイネージも単なる映像広告ではなく、
- センサー連動
- 観光案内との連携
- マップ提示
- AI案内
といった“インタラクティブ要素”が増えています。
2. デジタルサイネージの主な種類(札幌版)
ここでは札幌で実際に使われている、または導入が進む主要なサイネージの種類を分類して解説します。
2-1. 屋外デジタルサイネージ
●① 大型LEDビジョン(街頭ビジョン)

札幌駅周辺や大通・すすきのエリアでは、夜間の視認性が高い大型LEDビジョンが多く設置されています。
特徴
- 大規模広告に向く
- 高輝度で昼夜問わず視認性が高い
- イベント告知・観光PRにも最適
札幌で多い設置場所
- 札幌駅前(地下歩行空間出入口周辺)
- 大通公園周辺
- すすきの交差点近辺
■メリット
- ブランドイメージを強く訴求できる
- 広域な歩行者にアプローチ可能
■デメリット
- 設置費用が高い
- 冬季の積雪・氷点対策が必要
●② バス停・屋外交通案内サイネージ
札幌市内では、バス停や路面電車停留所におけるサイネージ利用が増加しています。
用途
- 運行状況のリアルタイム表示
- 遅延情報の案内
- 広告や地元企業のPR
- 観光案内
冬季は天候による遅延が発生しやすいため、リアルタイム更新のサイネージの価値が特に高いです。
●③ 観光案内用・タッチパネル型屋外サイネージ
札幌駅、赤れんが庁舎周辺、主要観光スポットなどに多く設置されています。
機能としては、
- 多言語案内(英語・中国語・韓国語など)
- 地図ガイド
- 飲食店・宿泊情報
- 周辺イベント案内
が一般的です。
2-2. 屋内デジタルサイネージ

●① 商業施設用サイネージ
札幌駅周辺の大型商業施設(例:ステラプレイス、パセオ、大丸札幌店など)では、館内案内用サイネージが一般化しています。
特徴
- 館内フロアガイド
- 季節キャンペーン案内
- クーポン提示
- タッチパネルでの店舗検索
札幌のように観光客が多い都市では、道に迷いがちな初来店者にとっても重宝される機能です。
●② 医療機関・クリニックサイネージ
札幌市内の病院やクリニックでは、
- 診療科目案内
- 待ち時間表示
- 健康情報提供
に活用されています。
特に冬はインフルエンザ・風邪関連の注意喚起を行うため、季節ごとの注意表示にはデジタルサイネージが最適です。
●③ オフィス・企業受付サイネージ
札幌市内のIT企業・スタートアップ企業では、受付案内や来客対応のためにサイネージを導入するケースが増えています。
機能例
- 受付案内
- 会社紹介動画
- スケジュール表示
- 混雑状況可視化
●④ 飲食店・ホテル用サイネージ
札幌は食文化が観光客に強く訴求する地域であるため、飲食・宿泊業のサイネージ利用も活発です。
飲食店:
- 電子メニュー
- 外国語対応メニュー
- 待ち状況表示
- 写真や動画で料理の魅力をPR
ホテル:
- チェックイン案内
- 周辺観光情報
- 天気予報
- イベント情報
冬季は吹雪で移動が困難なことも多いため、「屋内で情報を完結できる」のは大きなメリットです。
2-3. 交通機関サイネージ
●① 地下鉄駅構内サイネージ
札幌市営地下鉄では、駅内にさまざまなサイネージが配置されています。
- 駅周辺案内
- 運行情報
- 災害時の緊急情報
- 商業広告
地下鉄は冬場の移動で大量の市民が利用するため、情報伝達の効率化は極めて重要です。
●② JR北海道のサイネージ
札幌駅だけでなく、新千歳空港駅も含め、JR北海道はサイネージの導入が進んでいます。
用途
- 列車発着案内
- 観光キャンペーン
- 乗り継ぎ案内
- 広告
特に空港駅では外国人への案内が多言語化されており、動画案内や大型ディスプレイが積極活用されています。
●③ バス車内サイネージ
中央バス・JR北海道バス・じょうてつバスなどで利用されています。
表示内容
- 次停留所案内
- 広告
- 交通情報
- 地域情報
冬の天候による道路状態の注意喚起にも活用されます。
2-4. イベント・観光施設サイネージ
●① 札幌ドーム
スポーツ・ライブイベントが多く行われるため、以下の用途でサイネージが活躍します。
- 来場者案内
- スポンサー広告
- 広場イベントの案内
- ショップ・飲食の混雑状況
来場者数が多いイベントほど、臨機応変な情報更新ができるデジタルサイネージの重要性は高いです。
●② さっぽろ雪まつり
世界的イベントであり、サイネージは
- 会場ガイド
- 注意喚起(落雪・混雑・寒さ対策)
- ステージイベント案内
- 企業広告
に役立ちます。
●③ 美術館・博物館・水族館
札幌市内の公共文化施設ではサイネージが増加中です。
例:
- 札幌市時計台の案内
- 北海道博物館の展示案内
- 円山動物園のインフォメーション
機能
- 展示説明
- 音声ガイド
- 多言語案内
- 混雑情報
観光客が理解しやすい環境作りに貢献しています。
2-5. 特殊用途サイネージ(札幌独自の需要も含む)
●① 気象・災害情報サイネージ
札幌特有の大雪・地震・暴風雪を踏まえ、緊急情報を発信するサイネージが増えています。
- 停電情報
- 避難所案内
- 雪害対策
- 地震速報
特に市役所や区役所に多い設置です。
●② 見守り・防犯サイネージ
札幌市では安全対策の一環として、防犯サイネージも活用されています。
- 防犯カメラ連動
- 子ども見守り
- 不審者情報
- 地域安全キャンペーン
●③ インタラクティブ・AIサイネージ
最近ではAIによる対話型案内も増えています。
- 音声案内
- 顔認識によるターゲティング
- 年齢・性別分析に基づく広告出し分け
- 多言語翻訳対応
札幌駅や観光地での実証実験も行われています。
3. デジタルサイネージ導入のメリット(札幌視点)

■1. 多言語対応で観光客への訴求力が高い
■2. 季節イベントが多く内容更新が頻繁に必要
■3. 豪雪地帯のためリアルタイム情報提供が重要
■4. 都市インフラのICT化に合致
■5. 交通利用者が多く広告効果が高い
4. デジタルサイネージ導入の注意点
■1. 積雪・氷対策が必須
耐寒性やヒーター内蔵筐体がほぼ必須。
■2. 風雪による視認性低下
視認距離・角度を設計段階から考慮する必要がある。
■3. 交通量・人流の差が大きい
場所によっては広告効果に差が出るため、設置前の調査が重要。
5. まとめ:札幌のサイネージは“観光+季節+雪”が鍵
札幌のデジタルサイネージは、他都市と比較して
観光・季節イベント・豪雪対策
という三点が大きな特徴となっています。
デジタルサイネージの種類も多岐にわたり、
屋外から商業施設、交通機関、観光施設まで幅広く展開されているため、
今後ますます需要は増加していくと考えられます。
札幌でのデジタルサイネージ導入を検討する際は、
これらの特性を踏まえ、場所や目的に最適な種類を選ぶことが大切です。